築150年の民家との出会い

養老公園の中でとろろ飯の店を住み込みで手伝いながら、飲食店の仕事を初めて二年間経験しました。お客さんの数は場所柄季節に左右されます。それと食材により影響はあると思われました。以前名古屋で仕事をしている時に手打ち蕎麦を食べに出かけていた店のご主人が時々訪ねてくれて、そば打ちの話をして下さり、蕎麦包丁を貸してくれました。たまたま川をはさんだ向かいの土産物屋さんに、信州のそば粉があり、そば打ちの練習を独学ではじめてみました。三ヶ月位したでしょうかメニューにざるそばを出してみました。注文があり、気を良くしてそば粉を方々から取り寄せて試してみました。水は養老の湧水でした。そんな時期に古民家と出会ったのです。秋になって、来年からそば屋を始めると家族に話すと妻はなにも云わず、子供達は冷ややかでした。蕎麦を打つ姿など見た事もないわけですから当たり前です。それと店を出すような資金など無いのも皆知っていましたから尚更でした。養老公園の店を十一月末に辞め、準備に入りました。
 岡崎の自宅に帰り店の名前を考えたり、看板をどうするかなどやることは沢山あり年末でもあり、慌ただしく過ごしていました。子供が古いマッキントッシュをプレゼントしてくれたので、初心者ですからその使い方も学ばねばならず、参考書を頼りにそば屋のホームページを作成しようと無茶な作業も始めてしまいました。